もうしばらく前のコトなんですが、聞いてチョッピリ嬉しかった、ホンワカした、イイ気分になったお話なので皆様にも聞いて貰いたくて…
(実在する人物のお話ですが本人が絶対照れるので、個人が特定されそうな部分はぼやかしマス)
その男は40代半ば
ぶっきらぼうで、無口なくせにべらんめえ口調で、人見知りで照れ屋
でも人間が好きなお人好しのオッチョコチョイ
そんな人間味溢れる男ですが、ワタクシとの初対面の印象はお互いに最悪
いつ掴み合いになってもおかしくない雰囲気
そんなムードを和らげたのがいつも傍で明るく豪快に笑い声をあげる或る女性の存在
娘さんの話や飼い犬の話をしていたのでてっきり夫婦だと思いきや、入籍はしていないんだとか
もうイイ大人なんだから色々事情があるのでしょう
「どーして??」とか野暮なコトは訊かずにいるのが大人の常識
籍を入れる、入れない
産みの親か、育ての親か
幸せのカタチなんて人それぞれ…
ステレオタイプがハッピーの条件って筈はないんだから
知り合って7年ホドの彼らなんですが、珍しく彼の方からワタクシに、それはもう照れ臭そうに切り出した
「ちょっと訊いてくれるかい///」
「あのさ、こないだオレ誕生日だったんだよ」
ナンダヨ、今更お誕生日が嬉しい歳でもねーだろと、話の続きを聞こうとしないワタクシ
普段なら「マァそーだな(苦笑)」で終える筈の彼が続ける
「そんでさ…」
タバコの煙を吐き出しながら(←仕方ねーなアピール)聞いてみるコトにする
「コイツの娘も嫁に行くコトになったし、『ここらでいっちょ籍でも入れてみっか』ってなったんダョ」
誕生日関係ないじゃん
の言葉をぐっとこらえて続きを促す
「フーン、良かったじゃん」
「そんでよぉ、せっかくだからオレの誕生日が日曜だし写真も撮るか
なーんてハナシになってよぉ。北越谷のナントカってトコ行って貸衣装借りて写真撮ったんだよ。」
「ウン、それで??」
「おぅ、そんでよぉ なんかそこの従業員みたいな人が『次はこちらです』なんて言っちゃってよぉ。でっかいドアの前に連れてかれてよぉ…」
「ウンウン
」←もはや夢中のワタクシ
「ドア開けたらなんかスゲーイッパイ人がテーブルに座ってんだよ。あっ!!ヤベエ間違えた!!と思ったらコイツの娘や娘の旦那になる野郎とかがニヤニヤしてんだよ。よく見たら座ってんの全部知ってる顔なんだよ。」
「オオオオ
ッ
」
もうお分かりですよね^^
そうなんです照れ屋でぶっきらぼーな男の為にサプライズウェデイングパーティーを開催したんです♪
その後の彼は嬉しいのと照れ臭いのとごっちゃ混ぜで、酒を浴びるように呑むことで現実逃避(笑)
「オレみたいなやつのためによぉぉぉ…みんな暇人だよなぁ、まったくよぉ」
照れ臭そうに口をとんがらせて言ってたけど、嬉しそうだったぞ
世知辛い世の中でも心優しい仲間がいてくれれば、それで良かったり…なーんて思ったってお話でした